第37回 国際シンポジウム 今こそpisaを問い直す:学力のグローバル・スタンダードをめぐるポリティクス

 

PISAは、先進諸国の知識社会化に伴う学力ないし資質・能力の再定義や測定に一定の重要な役割を果たしてきたことは事実である。しかし、近年、このOECDによる国際的比較学力調査、および、各国におけるその扱いについては、一部の教育学者による批判的な論調・研究も目立つようになってきた。

2014年5月には、“米国を中心とした世界の教育学者らが「教育の伝統や文化が持つ多様性を、偏った尺度で測定している」と批判する文書をインターネット上に公開し、賛同者の署名が広がっている”ことが日本のメディアでも報道された(日経新聞 2014年5月31日)。この批判文書に発起人として名を連ねている研究者には、邦訳書を持ち日本でも馴染みのある名前が数多く含まれている。例えば、Stephen Ball(ロンドン大学)、Gert Biesta(ルクセンブルグ大学)、Noam Chomsky(マサチューセッツ工科大)、Henry Giroux(マクマスター大学)、Nel Noddings(スタンフォード大)、Diane Ravitch(ニューヨーク大)らである。

これに先立つ2013年には、数多くの各国比較教育学者の共著で、PISA, power, and policy: the emergence of global educational governance(edited by Heinz-Dieter Meyer and Aaron Benavot,
Oxford Studies in Comparative Education, Symposium Books, 2013, 335 pp)というタイトルの研究書が公刊され、PISAやこを取り囲む諸文脈が再検討に付され、比較教育学の国際的な有力学術誌Comparative Educationには、その書評も掲載された。

他方で、日本の教育政策や教育実践においては、今でもPISAは、今後の学力テストの鑑として受け止められ、一定の権威をもつものとして表象されることが多いといってよいだろう。実際、日本における全国学力学習状況調査B問題がPISA型と呼ばれたり、あるいは、大学入試新テストに議論する中教審の部会でPISAの公開問題例が資料として配布されたりしてきた。

このような事情を視野に入れた時、PISAとは、グローバル教育状況にとって、何をもたらすことになったのか、何を意味するのかという点に関して、国際的な比較教育学者による批判的な知見に関する一定の理解を得た上で、それら研究者と日本の教育研究者との共同討議によって、今後の日本はこのPISAをどう捉えていくべきなのか、どのような点に注意すべきなのかという点について考察を深めることには十分な意義があろう。こうした趣旨に沿って、このシンポジウムは企画された。

[基調講演者] ハインツ-ディーター・マイヤー(ニューヨーク州立大学オーバニ―校教授)
高山敬太(オーストラリア・ニューイングランド大学教育学部准教授)

[指定討論者] 丸山英樹(上智大学准教授)

[パネルディスカッション] 大野彰子(国立教育政策研究所国際研究・協力部長)
松下佳代(京都大学教授)
田中治彦(上智大学教授)

[司会] マーク・ランガガー(国際基督教大学)/澤田稔(上智大学)

[日時] 2017年12月16日(土)10:00~17:40
[場所] 上智大学四谷キャンパス2号館17階国際会議室
[対象者] 上智大学学生・教職員・一般
[参加費] 無料
[主催] 上智大学グローバル・コンサーン研究所
[共催] 国際基督教大学社会科学研究所(SSRI-ICU)
[お申し込み] 定員120名 要事前申し込み(10月頃受付開始) 申込は以下のサイトにてお願いいたします↓
[関連サイト] http://ssri-igc.com/
[お問合わせ] 上智大学グローバル・コンサーン研究所 Tel:03-3238-3023/i-glocon@sophia.ac.jp

 

続き・・・


 

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