学校教育におけるメディアリテラシー育成(前篇):中学の国語科を中心に~中村純子!!

もう20年前になるが、筆者が川崎市の公立中学校教諭だったときに、2年生の国語の授業で、テレビドラマの脚本を基に絵コンテを描く課題を出した。『北の国から』のワンシーンを、6コマの絵コンテで表現するのである。班ごとに絵コンテを製作し、その意図をプレゼンテーションした後、実際に放送されたドラマを視聴して感想交流を行なった。

セリフから登場人物の気持ちを想像し、カメラワークを考える活動は、話し合いも盛り上がり、楽しいものになった。普段は席を離れて歩き回ってしまうことの多かった男子生徒が、この授業は着席して、積極的に参加したほどである。映像メディアの教材としての魅力を発見することができた。

この授業の後、カナダ・オンタリオ州教育省の『メディアリテラシー マスメディアを読み解く』を読み、同様の実践を見つけた1。そのとき初めて、これがメディアリテラシーの授業なのだと気づいた。その後、内地留学で修士課程に進み、メディアリテラシーの研究に取り組んだ。

本稿では、2回にわたり、日本の学校教育の場で、メディアリテラシーがどう広がってきたかについて概観する。前篇ではまず、中学校の国語科教育を中心にみていく。

続き・・・

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