新学習指導要領が示す学びの改革「主体的・対話的で深い学び」とは!!

学習指導要領は10年毎に見直されることになっている。2020年の改定の次は2030年。5年後でさえ、世界がどう変わっているのか分からないのに、2030年の世界など想像できるはずもない。まして現在は、Society5.0に向かって社会の変革が進む第4次産業革命の時代。AI(人工知能)、IoT、ビッグデータ、ロボットなど、日進月歩の表現では追いつかない急速な“秒進分歩”の変化が、私たちの見えないところで進行している。小学校で2020年度に実施される新しい「学習指導要領」(中学2021年度、高校2022年度実施)は、2020年度から2029年度の10年間に学校で行う学習内容を定めるのもの。2030年の社会がどのようになっているのか、正確な予測が困難なのに、2030年以降の時代を生き抜く子どもたちに必要な学習指導内容がどのようなものなのかを具体的に定めることなどできるはずがない。「学習指導要領」の改訂にあたっては、中央教育審議会の委員たちも、文部科学省の担当者たちもさぞかし悩んだことだろう。しかし、「将来の予測が難しい社会の中でも、未来を作り出して行くために必要な資質・能力を確実に育む教育」、「未知の社会を生き抜く力を育む教育」という素晴らしい視点を示した。

「生き抜く力を育む」ための「主体的・対話的で深い学び」

文部科学省が示す新しい学習指導要領の解説でも「解き方があらかじめ定まった問題を効率的に解いたり、定められた手続を効率的にこなしたりすることにとどまらず、直面する様々な変化を柔軟に受け止め、感性を豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかを考え、主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくために必要な力を身に付け、子供たち一人一人が、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である。」としている。更に「生き抜く力を育む」という理念の具体化には、「生きて働く“知識・技能”の習得」、「未知の状況にも対応できる“思考力・判断力・表現力等”の育成」、「学びを人生や社会に活かそうとする“学びに向かう力・人間性”の育成」の3本の柱を偏りなく実現することだ、としている。

21世紀を「生き抜く力を育む」学習指導要領改訂の肝ともいえるのが、「主体的・対話的で深い学び」と情報活用能力(ICT活用能力)だ。中央教育審議会の審議のまとめや答申では、「アクティブ・ラーニング」という言葉を使用していたが、学習指導要領では使用されていない。概ね、「主体的・対話的で深い学び」に置き換えられている。これは、対話的学習と理解される「アクティブ・ラーニング」という言葉に「アダプティブ・ラーニング」的要素も含ませようとしたためと思われる。「アダプティブ・ラーニング」は「適応学習」と訳されているようだが、学習者一人ひとりの学習進行度や理解度、モチベーションなどに対応した「個別対応学習」という表現の方が分かり易いかも知れない。そして、この分野は、学習履歴や正誤データなどのビッグデータをAIで解析して個別対応を実施するといった、ICTを活用した学習方法が最も得意とする分野でもある。

続き・・・

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