「情報活用能力」は、教科の枠を超えた力。今こそ、学校を挙げて育成しよう!

1 ICT活用は、次のステージへ

「わかりやすく教える」ためにICTを活用してきた

 ICT活用が、次のステージへ進み始めています。

 今までのICT活用は、「わかりやすく教える」ために、「先生」が使うのが主でした。たとえば、実物投影機やフラッシュ型教材もそうです。実物投影機で、教科書などを「大きく映し出す」ことで、「わかりやすく」なる。フラッシュ型教材で繰り返し練習することで、基礎・基本の知識が「定着しやすく」なる。その効果は、多くの先生方が実感し、自治体も「わかりやすく教える」ために、実物投影機や大型テレビ、プロジェクターなどの整備を進めてきました。

 こういったICT活用には、「わかりやすく教える」だけでなく、もう一つの効果もありました。ICTを授業でどう活用すればわかりやすくなるかを考えることで、先生方の「授業力が向上する」のです。

 実物投影機で、教科書や資料集に載っている図表などをズームして大きく映すのは、おなじみの手法です。しかし「大きく映す」のにも、コツがあります。どの資料を映すか、どこを大きく映すか。どんな発問をするか。その発問で出てきた子供たちの意見を、どう次の学びにつなげるか。

 これは、教材研究や授業研究そのものです。ICTを効果的に使う方法を考えることが、教材研究や授業研究につながり、ひいては先生の授業力が高まる。そんな好循環が、全国各地で起きました。

「チーム学校」として学校全体で教育力を高めよう!

 学校全体でICT活用に取り組み、先生同士で学び合って、授業力を上げようとする取り組みも増えてきました。その好例が、本誌でもレポートしている山形県米沢市立東部小学校です。

 東部小では、「授業力を向上する手段」の一つとして、実物投影機などのICTを活用しています。実物投影機を使った授業を先生同士で見せ合う校内研修を、頻繁に実施。「ICTの効果的な使い方」を共通の話題の一つとすることで、先生同士の学び合いが活発化しました。ベテランが若手に教え、若手に刺激を受けてベテランが学ぶ、好循環になったのです。

 ICT活用にとどまらず、先生同士の学び合い・教え合いは、授業研究や教材研究にも拡大。さらには学校全体で学習規律や指導基準を話し合って徹底し、OJTで学び合っています。「授業力」に限らず、「教師力」を高めるために、学校全体が一致団結して取り組んでいるのです。

 この東部小のように、学校全体で組織的に教育力を高めることが、今とても重要視されています。文部科学省も「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」を作り、今後の学校のあり方を議論しています。

 今年の夏に中間まとめが発表されましたが、学校長のリーダーシップの下、すべての教職員が個性を活かして役割を分担しつつ、密に連携できる組織を作り、学校が一つの組織として教育力を高め、子供一人ひとりに合った教育を実現する必要があると、提言しています。東部小は、この「チーム学校」を体現している好例なので、ぜひ本誌のレポートを読んでほしいと思います。

続き・・・

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