日本人の英語が上手くならない理由 『日本人の英語』著者が斬る30年間の変遷!!

<学校では英文読解より英会話に力を入れているが、貧困な文法と語彙では片言の会話しかできるようにならない>

編集部から受けた、「この30年で日本人の英語はどのように変わったか」という質問と矛盾するようだが、いわゆる「日本人の英語」がいかに変わっていないかということについて少し考えてみたい。私の実感では、英語が実際に必要だから、または純粋に英語が大好きだからという理由で、自分から進んで練習した結果、十分な英語力を身に付けてきた日本人の比率は常に1割程度だ。1割というと少なく感じるかもしれないが、それでも現在の日本で現実に求められているニーズはだいたい満たしていると思う。

私は、31年前の1988年に出版された著書『日本人の英語』(岩波新書)がきっかけで、「なぜ日本人は英語が下手なのか」というタイトルのシンポジウムに呼ばれたことがあるが、私と同席した3人のパネラーは、皮肉なことに、英語が驚くほど流暢な日本人だった。まるで「なぜ日本人は野球が下手なのか」というシンポジウムに松井秀喜とイチローと大谷翔平を招いた感じだったのだ。

もちろん、多くの日本人が「なぜ日本人は~ができないのか」というような演題が大好きだということはよく理解できる。しかし、わざわざ議論するなら、英語が下手な人を呼んで「なぜ下手なままなのか」というテーマにしたほうがはるかに建設的だろう。ただ、その問いへの答えは「うまくなるような練習はしていないからだ。それ以上でも以下でもない」に決まっているので、あまり意味はないが。

続き・・・

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