質問コーナー!!

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教員の方や生徒の皆様からのご質問にお答えするコーナーです。全国のスーパーティーチャーがお答えします。


大阪在住の中学3年生からESNに英語に関する質問をもらいました。内容は以下の通りです。

中学3年生の生徒様からの質問事項です。

英語の授業で、世界の英語に関して学習しています。JanglishやShinglish、Manglishなど、世界には多種の英語が存在していることがわかりました。そして、そのことについてクラスで話し合う中で、「私たちは、どんな英語を学ぶべきなのか」という疑問が生まれました。
私たちの学校では、日本人の先生からアメリカ英語、ALTの先生からイギリス英語を学んでいます。もちろん、どちらも同じ英語なのですが、同じ意味、たとえばアパートという意味の語でも、apartment houseとflatというように異なっていて、そのような英語を一つ一つ覚えるのは大変です。
そこで、英語教育総合研究会の方々に、以下の質問に関してご意見をいただきたいと思いました。
質問内容は、以下の3つです。

①私たち中学生は、イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学ぶべきですか。
②英語でコミュニケーションをするとき、文法は大切だと思いますか。
③JanglishとJapanese Englishの違いとは、何だと思いますか。

お忙しい中と存じますが、宜しくお願いします。

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ESN研究員からの返答
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かえつ有明中学高等学校の先生より

①まず、世界とともに歩むときに必要な一つのツールが、共通理解を図るための「言葉」です。事実上、多くの国が英語を使っています。そして、イギリスの英語やアメリカの英語というカテゴリー分けをすることもありますが、私はどの英語を学ぶべきか、とは考えていません。大切なのは、自分の伝えたいことが伝えられて、他者の言っていることが理解できることが一番重要だと思うのです。極端な例ですが、大阪に住まう外国人が関西弁を耳にして、関西弁なまりの日本語を身につけた場合、関東の人と意思疎通に困るでしょうか?大きくは困らないと思います。ですから、色々な英語に触れて、自分なりに通じる英語を使えればよいと思うのです。しかも、イギリス英語とアメリカ英語の違いを知っていると、言葉の世界の広さを感じることができますよね。大変ですが、どちらがよいか、というよりどちらでもよいし、自分にフィットする方を積極的に学べばいいのかな、と思います。

②文法はとても大切だと思います。例えば主語の次には動詞が来る、という文法を無視すると誤解が生じます。ということは、「文法」の意味をどのようにとらえるか、の問題ですね。例えば複数形のsがつくのかどうか、考えすぎて話せなくなることもあるでしょう。3単現のsも同様です。しかし、会話でそれらのsが落ちても大きな問題ではないことがほとんどです。つまり、大きな文単位の意味においては、通じますよね。ということは、意味をなさない可能性があるかどうか、という点で重要性が変わってくると考えます。また、コミュニケーション、ということですから、通じないときはその場で確認もできますよね。私もアメリカにいたときに、こういわれたことがあります。「あなたの英語は文法的に正しいので、よく理解できる。でも、そのようには言わないんだよね。」と言われて、より自然な英語を提示してもらいながら学んでいきました。特に「コロケーション」と呼ばれる言葉の選択の自然さが大切だと感じています。そのためにも、文法は知っていることが大前提です。

③Japanglishという言葉が市民権を得ているかどうか、疑問が残りますが、基本的には日本語の音や文法が英語に転用されて、それでも通用する確率が高い状況になっている状態を言います。例えば、日本語の「(そうだよ)ね」の「ね」。 これを日本語の気持ちで英文の最後に「ね」をつける。You know, ね? アメリカに住む日系人がよく使います。こうなるとJapanglishでしょう。ただ、大きくEnglishから離れてしまうと、別物になりますね。あくまでもEnglishの日本バージョンです。対してJapanese Englishは日本人独特の特徴が反映された英語。極端に言えば日本人がバリバリ日本語なまりで英語を話した場面を想像してください。This is a pen. 「ジス イズ ア ペン」と平坦に読む。こんな違いがあります。

以上、簡単ですが参考になれば。

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追手門学院中学高等学校の先生より

①に関しては、僕個人としては「どうでもいい」と思っています。なぜなら、おそらく私たちが実際に将来ビジネス等で使う英語はそのどちらでもないからです。実際に、英検1級の問題でも、リスニング問題にはどちらでもない英語が入ってきてますよね。それがインド英語だったり、フィリピン英語だったりチャイニーズ英語だったりするので。それがアメリカのものだろうと、イギリスのものだろうと、オーストラリアのものだろうと、「標準的なネイティブ英語」ならそれでいいと思います。学習が進んで、アメリカのABCとイギリスのBBCを聞き比べるなどして実際の英語に触れて「ああ、これがアメリカ英語か」と気づけばそれでいいんじゃないでしょうか 。

②は、絶対大切だと思います。特に時制(とりわけpresent perfectとpast simpleの違い)や接続詞は間違えると思わぬ誤解を招きますし、そもそも文型はきっちりマスターしておかないと「発話」すらできませんから。その他、細かいところに関しては、「会話」がどこまでをさすのかわかりませんが、verbal communicationの観点ではあまり気にしないほうがいいのかな、と思います。はっきり言って、間接疑問なんかは僕も会話中にしょっちゅう間違えてますから。だから、意識しすぎてしゃべれなくなるよりは、通じるレベルのミスは気にせず発信するべきだとは思います。あ、でも文法はやはり正しいにこしたことはないと思います。

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立命館宇治中学高等学校の先生より

私の考えでは、①の議論はあまり意味がないような気がします。これからはアジア人の英語と接する機会が圧倒的に多くなってきますから、インド人の英語、中国人の英語、フィリピン人の英語、ベトナム人の英語などに慣れておく方が大切ですね。とはいうものの、世の中の教材は圧倒的にアメリカ英語が多いですが、TOEICではイギリス英語、オーストラリア英語を聞いて面喰い人もいます。要は、いろんな国のなまりに慣れておいた方がよいということですね。

②について、コミュニケーションの意味をどうとらえるかですね。会話=コミュニケーションと捉えられがちですが、Eメールも文書作成も立派なコミュニケーションです。もし会話やSNSのチャットのことを言っているなら、文法は知らなくても何とかなるでしょうが、場面にもよりますね。日本で外国人がおかしな日本語をしゃべっていたら面白いこともありますが、フォーマルな場面だと引いてしまうこともありますね。文字にしてしまうと、書いた本人の教養が疑われてしまうので、文法は正しい方がいいに決まっています。総じて、文法不要論は間違いですが、文法書やテキストのいろんな矛盾は英語教師がきちんと解いてやらないとは思います。「未来を表すときはwillかbe going to」というのが最たるものですね。I’m visiting my uncle tomorrow.の説明くらいは、中学の英語の先生にもできるようになってほしいですね。

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愛知産業大学三河中学校の先生より

① この問いについては、多くの先生が同様のご意見をお持ちだと思われますが、この段階ではどちらかという選択をすべきではなく、幅広い英語が存在すると学んでおくべきでしょう。将来、使う時や相手に応じて使い分ける素地を養っておくべきではないでしょうか。英語にはアメリカやイギリスだけではなく多くの種類の英語があり、その種類や違いのあることを「面白い」「楽しい」と感じられるといいですよね。また英米の両方を知ることで、文化の違いを理解することができ、お互いがグローバル社会で共に生きることを学んでいくことができるのではないでしょうか。
② 文法は、大切だと思います。理由は、赤坊が1日言葉のシャワーを浴びて育つ環境があるなら、自信をもって大切だと言える自信はありませんが、そのような環境にない場合、ある程度文法を学んでおけばそのベースを膨らませ応用させながら表現を覚えていくという効率の面から大切だと言えるのではないでしょうか。よく、英会話の80%は、中学校で学ぶ、単語熟語・文法事項でなりたっていると言われます。それだけ基本的で大切なことを学んでいるという重要性からも大切だと思います。

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共立女子中学高等学校の先生より

① イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学ぶべきか。

イギリス英語、アメリカ英語だけでなく、色んな英語を学ぼうとする姿勢があることが大切だと思います。もちろん、現在の世界状況を考えれば、アメリカ英語を学ぶ方が効率的だと思われるので、アメリカ英語を中心に学べばよいと思いますが学校でイギリス英語、アメリカ英語の両方が学べる環境に感謝し、貪欲に「言葉」の背景にある「こと」「こころ」としての文化にも興味を持って学んで下さい。

また、「お手本」として仮にアメリカ英語を学んだとしても、「アメリカが一番」といった間違ったステレオタイプな心理に陥らないことも重要だと思います。

グローバルな時代で英語を使うことが当たり前になっていますが、英語で意思疎通を行う相手は「アメリカ人」とは限りません。経済産業省の統計では日本企業の進出先や日本企業に雇用される外国人は、大半がアジア・東南アジアであることが明らかにされています。「英語」という共通の道具を用いてお互いの理解が深められることが大切です。
② 英語でコミュニケーションをするとき、文法は大切か?

大切です。が、大切なのは文法だけではありません。発音、イントネーション背景知識、論理など挙げればきりがありませんが、これらに共通していることは何だか分かりますか?そうですね。お互いを理解する準備として持たなければならない「共通の土台」だということです。

文法の約束を外れて勝手に組み立てた英語を相手に分かれと言っても無理な話です。「嵐が好きです。何故なら嵐が好きだからです」といった論理無視の表現は相手に理解されません。発音やイントネーションも相手の想定内の間違いなら問題ないですが、全く想定外の間違いなら理解して貰えません。相互の文化に対する理解も浅ければ、意思疎通のレベルは浅くなります。

君たち中学生は普段「同じような年齢で同じような生活をしている」人たち同士でのコミュニケーションに慣れているかもしれませんね。それは悪いことではないです。「昨日あれ見た?」と言えば、それでお互い通じてしまう。でも、その楽さに慣れていると異文化や異世代のバックグラウンドを持った人たちとの意思疎通は上手くいきません。文法も論理も発音も背景知識も、全てが相互理解のために必要ですよ。

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Z会スタッフより

> ①私たち中学生は、イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学ぶべきですか。

大学受験という観点であればアメリカ英語が現状では殆どです。ですので、まずはアメリカ英語を中心に学んだ方が有利だと思います。※将来的には大学入試が変わる可能性は高いです。
ただ、他に英語を学習する動機・目的を別途持っている中学生ならば、その動機・目的に応じた英語を学んでもよいですし、イギリス英語に限らず様々な地域の英語を知ることは有益だと思います。

> ②英語でコミュニケーションをするとき、文法は大切だと思いますか。

英語とは全く違う体系の言語を母語とする日本人にとっては、英語を理解する効率的な方法の1つに文法学習があると思っています。単純な対話(発話)以外のコミュニケーションも考慮するならば、すぐに理解できないような表現にぶつかった時に論理的に読み解くためにも重要だと思います。同一体系の言語を母語とする場合は、使える語彙を増やす方が効果的かもしれませんが経験がないので推測です。。。

> ③JanglishとJapanese Englishの違いとは、何だと思いますか。

Janglish はそのものずばり「和製英語」、Japanese English は「日本人の話す英語」。と私は理解しています。日本以外では別の意味でとらえられてしまうような英単語と、日本人が英語を話す時に顕著な傾向、といった使い分けでしょうか。