春秋

 A定食1000円、B定食2000円。店は利益が上がるB定食を多く売りたいが、思い通りにいかない。ところがメニューにC定食3000円を加えると、B定食が売れ出す。1番高いものは敬遠され、2番目は選ばれる。合理的な説明は難しそうだが、よく分かる。

▼近年注目される経済理論といえば、行動経済学である。人間は合理的ではないという前提に立ち、心理学を取り入れて考察する。今年のノーベル経済学賞に輝いたのも、この分野の第一人者、米シカゴ大のR・セイラー教授だった。教授は小さな誘導(ナッジ)を与えることで、人々の選択をより良い方向に導けると説く。

▼これもナッジ効果だろうか。きょう投票日を迎えた衆院選である。投票率の低下が懸念されるなかで、期日前に投票した人の数は前回の選挙を大きく上回っているという。交通至便なデパートや大学に投票所を設け、過疎地ではワゴン車に投票箱を載せて回る。各地で投票しやすい選択肢を用意したことが奏功したようだ。

▼教授の著書には「第一印象が悪かったり、複雑な議論と統計データに訴えたりする候補者は苦戦する可能性が高い」とある。が、ここは合理的にいきたい。雰囲気や風に左右されず、訴えの中身を吟味して一票を投じよう。「自分一人が投票したところで何も変わらない」という考えは、合理的な選択からはもっとも遠い。  続き・・・


 

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