高校は大学入試の予備校ではない、今こそ問題解決型学習への挑戦を!!

これまでの学びの価値観が揺らいでいる今、学校が果たす役割は何か、学びをどのように変えていくべきか。本連載『The Teachers' Voice』では、学びのアップデートをめざす先⽣⾃⾝の⾔葉をお伝えしていく。1人1台の自由なiPad活用を進めてきた近⼤附属⾼等学校の乾武司教諭。最終回となる第5回では、コロナ禍の学び、GIGAスクール構想と、大きな転換期を迎えた日本の学校教育への想いを綴ってもらった。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■中学・高校は、大学に行くための下部組織ではない 「私の州の大学受験も、知識偏重の退屈なものですよ」 オーストラリアの高校で教える先生とお話をした時、こう答えられたのを聞いて私はびっくりしました。 なぜなら、その先生の学校では、受験対策のために知識を詰め込む教育ではなく、生徒が自ら問題を発見し、解決策を考案する問題解決型の学習を推進しているという話を聞いていたからです。 他のオーストラリアの先生方とお話をしていても、生徒自らが学ぶ「問題解決型学習」の重要性について熱く語られるので、私はてっきり、オーストラリアの大学入試は高校時代のそんな学びをポートフォリオなどで評価し、合否を決めるのだろうと勝手に思っていたのです。そして、その先生に「問題解決型学習で学んだ内容のレポートが大学入試に大きく影響するのですね」と質問したときの回答が冒頭の言葉だったのです。 「大学入試が知識偏重であるなら、学校として対策はしなくていいのですか?」と、私はさらに、その先生に質問を投げかけました。すると、驚くべき回答が返ってきました。 「中学・高校は、大学の下部組織ではありません。中学・高校では、『問題を解決する』という大切なスキルを、しっかり身につけさせる責任が私たちにはあります。それさえ身につけることができれば、くだらない退屈な知識偏重の大学入試なんか、一つの解決すべき問題として生徒自ら乗り越えていきます」 ちょうどこの話を聞いたとき、本校は高大接続改革に伴う大学入試制度の変更に対応していた時期であり、学校はあたふたしていました。私自身も、自由なiPad活用を通して、生徒たちが自分で学んでいく姿にさまざまな可能性を感じていながらも、大学入試のために多くの時間を費やし、知識を詰め込んでいく受験対策の授業に対して自分自身モヤモヤしていました。 しかし、その先生の答えを聞いた瞬間、「あー、そういう事だわ」と、とてもスッキリしました。”高校は大学入試の準備をする予備校ではない”、そんな当たり前のことをオーストラリアの先生と交流する中で、改めて再認識したのです。 そして、「自分たちは、今まで誰の方を向いて授業をしていたのか?」「本当に、この授業は生徒のためを考え、彼らの将来を支えるものなのか?」、そんなことを考えるようになったのです。

続き・・・

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事