「日本の学校は、身近な小さな世界の全体主義をかたちづくっている」 日本の子どもの精神的幸福度ワースト2位 なぜ?

最近発表されたユニセフの報告書によると、先進国と新興国38ヶ国の子どものうち、日本の子どもは身体的健康度が1位だった一方、精神的幸福度はワースト2位だった。この調査は子どもの健康、スキル、幸福についての複雑な状況を明らかにした。しかし、子どもたちのこうした体験は社会の中で孤立して存在するのではなく、彼らの暮らす社会全体に根ざしている。高度に発展した豊かな国である日本の子どもが精神的に不幸になってしまったのは、なぜなのだろうか?

ユニセフの報告書は「子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」(原題「Worlds of Influence: Understanding What Shapes Child Well-being in Rich Countries」)という名称で、「身体的健康」「精神的幸福」「アカデミックスキルと社会スキル」の3つの項目を調べたものである。3項目総合で1位になったのがオランダであり、デンマークとノルウェーがそれに続く。日本は真ん中あたりの20位、米国は36位、最下位の38位はチリだった。調査のためのデータ収集は新型コロナウイルス感染拡大前、数年にわたって行われた。

© DEPOSITPHOTOS / CHAI2523リアルとネットいじめ:「ポストコロナ時代にニューモラルが求められる」日本の学校が運動量やバランスのとれた食事に大きな注意を払っていることもあり、日本の5歳から19歳の子どもの肥満率は最も低く、2016年の体重過多児、肥満児の割合はわずか14%だった。この項目ではアメリカの数値が最も高く、42%だった。アカデミックスキルと社会スキルでは日本は27位だった。

読解力と数学の基礎知識は良い結果(5位)だったにもかかわらず、友だちを作るスキルでは日本の子どもの順位は低かった。15歳の子どものうち、友だちを作るのは容易だと答えたのはわずか69%で、最下位のチリに次いでワースト2位だった。

報告書はまた、日本は対象国の中で2019年の失業率が最も低いにもかかわらず、子どもの貧困率は18.8%にも達していると指摘している。比較のために挙げると、アイスランドは10.4%、トルコは33%である。しかし、最も重要なのは精神的幸福度である。日本の15歳の子どものうち、生活に満足していると答えたのはわずか62%であり、ワースト2位だった。1位のオランダは90%、最下位のトルコはわずか53%だった。

日本が他の先進国に大きく遅れをとっている原因は何なのだろうか?経済発展の度合いでは、日本は他の多くの国よりずっと上位にあるではないか。一方で、日本の母親は往々にして子どもに対して過保護であり、子どもの成長につれて教育ママになり、子ども(主に男の子の場合に顕著)に良い教育を受けさせるためには時間も労力も惜しまない。こうした状況について、明治大学文学部准教授の内藤朝雄氏に話を聞いた。

続き・・・

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