
学習指導要領が見直され、英語教育が2020年度から大きく変わります。小学校3年生から英語教育がスタートする一方、中学校では英検準2級、高校では英検2級以上を目指した授業が展開されます。国際化が進む新時代に対応するのが狙いで、ガラパゴス化しているといわれてきた日本の英語教育に本格的なメスが入ります。
国際化時代を迎え、コミュニケーション能力育成に本腰
英語教育改革は新しい学習指導要領に盛り込まれています。日本の学校英語はこれまで、社会で役に立たないと批判されることがたびたびありました。
2018年末の中央教育審議会答申でも、話すことや書くことなどコミュニケーション能力の育成と、習得した知識や経験を生かして適切に表現する点に課題があると指摘されています。
そのため、小中高校すべての授業内容を大きく変え、外国人と十分なコミュニケーションをとれる英語能力を養う狙いです。
教員、生徒とも英語力は目標に及ばず
英語能力の向上にはいくつかの課題が残っています。
文部科学省は教育振興基本計画で、中学生が語学力の国際標準規格「CEFR(セファール)」のA1レベル(英検3級相当)以上、高校生がA2レベル(英検準2級相当)以上の英語力を持つことを目標としてきましたが、2018年度の全国調査では中学、高校とも目標に到達した生徒は約4割にとどまりました。
原因の1つとして指摘されるのが教員の英語力不足です。
自分が受けてきた英語教育と異なる方法、レベルの指導を求められ、多くの教員が対応できないでいるせいか、外国人の英語指導助手(ALT)に丸投げしてしまうケースも見られます。
文科省の有識者会議は2014年、教員の英語力向上に向け、教職課程の見直しを進める必要があると提言しています。
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