一般入試で学力の3要素評価を行う/国際基督教大学(ICU)!!

一般入試で学力の3要素評価を行う/国際基督教大学(ICU)

リベラルアーツを学ぶ素地を学際的な入試で見極める

 もともとICUの入試は独特で試験対策が難しく、「塾泣かせ」「予備校泣かせ」と言われてきた。その要だったのが「リベラルアーツ学習適性」と呼ばれる試験科目である。数量的領域・言語的領域・分析的領域にわたり、迅速かつ的確な判断力、論理的な思考力、これまで学んできた知識や考え方を柔軟に応用できる能力等を評価するためのものだ。組になった文字や数式・記号等から法則性を見出し、同じ関係性を持つ組み合わせを選択する方式が代表的で、高校生が共通に学習してきている知識レベルを前提とし、70分間で80問の多肢選択問題を解く。同意語、反意語、図形、論理、文字列、数列等、多様に用いられた素材から、企業の適性検査SPIに近いと表現されることもあった考査である。こうした入試の形式はICU固有のもので、文理別に科目選択している高校生に対し、それを横断した思考回路を持てているかを問いかけるものであり、こうした頭の使い方に慣れていないと、苦戦するであろうことは想像に難くない。しかし、「文系・理系を横断する思考力を測ろうという考え方はATLASに進化した今でも変わっていません」と森島泰則アドミッションズ・センター長は話す。一見すると奇をてらっているように見える入試方式は確固たる信念に裏打ちされている。では、それは何なのか。

総合教養ATLAS

 2015年に導入したATLASは本誌197号でもご紹介した。特徴的なのは、まず日本語の講義を「聴く」プロセスである。15分程度、何も見ずに講義を聴く。その間、メモをとることは許されている。その後、講義に関する多肢選択のマーク式設問に解答する。設問は学際・人文科学・社会科学・自然科学の4領域で構成されており、人文科学・社会科学・自然科学についてはそれぞれの観点から関連論文があり、それを読み解く仕組みとなっている。「本学の教育は多彩な分野を行き来しながら自分の専門を構築していく仕組みです。文系だから理系科目は無理、といった理屈ではなく、多様なことに興味を持ち、人の話を聴きつつ自分の論を構築できる素地があるかを見極め、入学後のリベラルアーツ教育でそれをしっかり伸ばしていく。入試から本学の教育は始まっているとも言えます。今回、聴く力を追加することで、聴くことと考えることを合わせて判断力として評価することができるようになりました」と森島教授は話す。ICUのようにリベラルアーツ教育が確立されている場合、伸ばすべき学生の資質について明確なビジョンを持てるということなのだろう。

 入試設計自体に非常に手がかかると見る方もいることだろう。こうした選抜の設計・実施は教職員の総力戦だという。中でも最も注力しているのは作問である。講義の作問と、それに関連した各領域の論文。これらは全て入学者選抜用のオリジナル・書き下ろしだそうである。担当教員は先述した「リベラルアーツ学習適性」と同様の条件を満たす内容を関連づけて用意しなければならない。また、毎年の作問では各設問を分析し、文理別の難易度が偏らないように、また似たような能力を測るのではなく、多面的な評価になるように配慮しているという。

導入4年目、見えてきた課題とは

 極めてICUらしい考査方法であるATLAS。狙い通りの学生は集まっているのか、どのような課題が見えたのか、今後どのような進化を遂げるのか、等は注目の集まるところであろう。参考としてICUのアドミッション・ポリシーを以下に示したが、果たしてこうした人材が狙い通り集まっているのだろうか。

参考:ICUのアドミッション・ポリシー(大学HPより) 続き・・・